◆「自分の顔は好きですか?」
「自分の顔は好きですか?」と聞かれたら、すぐに「はい、好きです」と答えられる人はどのくらいいるでしょう。
逆に、自分の顔の好きではないところであれば、数え上げたらきりがないくらい出てくるかもしれません。そんな方は、出来る限り欠点が見えなくなるように、他の誰かの顔になろうとしてメイクをしているのではないでしょうか……
せっかく生まれ持った自分の顔。
心から好きになることができたら幸せですよね。
そんな幸せを生み出している方がいらっしゃいます。
東京・南麻布にあるブライダルトータルプロデュースを行っている「メイクマリエ」の代表であり、現役のメイクアップアーティストでもある さいとうあやこ さんです。
◆美しい環境の中で創られる花嫁さん
案内されたオフィスの中はこじんまりとしていながらも、落ち着きのある空間。入口の扉を開けて中に入ると正面に窓がたくさん並んでいます。自然の光がオフィス内と窓際に飾られたウェディングドレスを優しく包み込んでいました。
ウェディングドレスは女性にとっては憧れの衣装。
その衣装の飾られた部屋の中で一人一人の幸せが創り上げられていくのだと思うと、その場所にいること自体が穏やかで幸せな気持ちでいられるような気がしました。
出典メイクマリエにて筆者撮影
◆周りを自然と笑顔にしてしまう魅力
さいとうあやこ さんには今回初めてお会いしましたが、一目見た瞬間にその輝きでパッと周りを明るくしてくれるようで、自然と笑顔になっている自分がいました。
小柄ではありますが目鼻立ちがくっきりとしていて、その大きな瞳がキラキラと輝いているのがとても印象的。入口のすぐ左側にある赤いソファに腰かけた さいとうあやこ さんは、そのままでも絵になってしまうほど素敵です。
出典メイクマリエにて筆者撮影
◆オードリー・ヘプバーンのような美とは?
出典メイクマリエにて筆者撮影
さらに奥へ進むと、壁に立てかけられたブックスタンドに飾られていた本の数冊がオードリー・ヘプバーンのもの。なんとなく、オードリー・ヘプバーンにも似ている さいとうあやこさんは、凛とした透明感があります。
「メイクマリエ」のパンフレットには、オードリー・ヘプバーンが亡くなる前の最後のクリスマスイヴにご自身のお子さんに読み聞かせたという詩が記載されているそうです。
~以下、抜粋~
魅力的な唇のためには 優しい言葉をつむぐこと
愛らしい瞳のためには 人々の素晴らしさを見つけること
スリムな体のためには 飢えた人々と食べ物を分かち合うこと
美しい髪のためには 一日に一度 子どもの指で梳いてもらうこと
美しい身のこなしのためには 決して自分一人で歩むことがないと知ること
人間は物よりはるかに回復し、復活し、生き返り、再生し報われることが必要なのです
くり返しくり返し 報われることが・・・
助けてくれる手が必要であれば 自分の腕の先にその手があることを忘れてはなりません
歳を取れば、あなたはふたつの手を持っている事に気付くでしょう
自分自身を助ける手 そして、他人を助ける手を・・・
~アメリカの詩人サム・ レヴェンソン作『時の試練を経た人生の知恵』より
この詩を読むと、誰もが考えさせられるでしょう。
「本当の美しさとは何か?」
ということを……
さいとうあやこ さんが、メイクをするうえで本質の美しさを大切にされていることが伝わってきます。
◆「自分の顔が好きになりました」
その第一印象とはまた違ってとても気さくにいろんなお話をしてくれる さいとうさん。柔軟な考え方の元に会社を運営し、メイクアップアーティストのキャスティング、ご自身もヘアメイクアップアーティストとしてご活動されています。
さいとうさんが心がけていることは、全体を均一にメイクすることではないそうです。
その人の良さ、さらには本人がコンプレックスと思っているところまでも活かして、その人のなりたい顔に仕上げていくことだと言います。
メイクをしてもらった自分の顔を見た花嫁さんたちは、
「自分の顔が好きになりました」と満面の笑み
で言ってくれるのだそうです。
そしてその言葉をもらったときは、スタッフたちにとっても至福の瞬間で、そのために一つ一つの工程を大切にしているということもうかがえました。
◆すべてを幸せにするために
結婚式では、花嫁さんはもちろんのこと、花婿さん、親族・参列者の皆さん、そして関わったスタッフたち、そしてその空間も含めて全てが世界一輝く瞬間を生み出したいという思いでいるそうです。
そのために大切にしていることは、当日のヘアメイクだけではありません。
・担当アーティストは、花嫁さんに近い方を選びます。
なぜかというと、持ち備えたものが似ていると、抱えてきた悩みなども理解しやすく、花嫁さんのなりたいイメージに寄り添うことがより可能となるからです。
・カウンセリングを丁寧に時間をかけて行っています。
カウンセリングをする中で、その方の趣味や嗜好、考え方などを知ったり、どの角度から見た表情が素敵なのか?などを見極めているのだそうです。正面からだけではなく、横から、斜めから、後ろから、鏡越しに、ゲストとの距離感、会場の広さなど、あらゆる情報を集めて、その日その瞬間の最大の素敵を引き出していくのだそうです。
出典メイクマリエにて筆者撮影
◆メイクの完成は笑顔
プロによるヘアメイクが終わればそれで完成ということではないと お話してくれた さいとうさん。
メイクは花嫁さんが笑顔になってようやく完成するのだそうです。
さらには、周りの人たちが幸せな気持ちになってこそ大成功に導けるのだと言います。
一般的によく耳にする義務や義理で参加する結婚式ではなく、参加した人もみんな来て良かったと思える時間を創りだすために、常に最善を求め、そのためには本質を見失わないようにしているのです。そのことは、さいとうさんだけではなくオフィスのスタッフさんたちの笑顔がそれを物語っているようでした。
◆日常にも応用できる!自分の顔を好きになる方法
そしてこれは日常にも応用できることです。自分のコンプレックスを隠したり、誰かと比べて卑下することよりも、それを活かすこと、好きになることが自分の最大限の強みになるのです。自分の顔を好きになれば、表面上ではなく本物の笑顔に繋がっていきます。
例えば、目の大きかった子は小さい時、「出目金」と笑われたり、鼻が高い子は「魔女」と言われた経験はありませんか?人それぞれ小さい時に言われたことが大人になってからもトラウマになっていることが少なくありません。でも小さい時に言われた「出目金」や「魔女」は決して事実ではないのです。
大人になると、「目が大きくて可愛いね」「鼻が高くていいなぁ」などとうらやましがられるようになります。自分にないもの、違う物を人は否定しがちです。でも、違うものを持っているということは、あなたにだけしかない宝物となるのです。
歯並びが悪くて気にしていた筆者にも、その八重歯は宝物だと言ってくれた さいとうさんの言葉は、私のコンプレックスを私にしかない大切だと思える存在へと変えてくれました。
そんな風に、決してお世辞ではなく人の良さを引き出し、コンプレックスさえも宝物に変えてくれる さいとうあやこさん。佇まい、表情などが、年齢など関係ないと思わせる女性のかわいらしさ、美しさ、清潔感、心の清らかさ、純粋さが感じられます。
そんなさいとうさんを見ていると
「人を幸せにしている人は、その人自身が幸せである」
という言葉が浮かんできて、自分自身の幸せも大切にしてなくてはと思わせてもらえました。
◆ナチュラルな美しさを惹き出す
ブライダルだけではなく、モデルや、芸能人の方の撮影用メイクでもご活躍中のさいとうさん。花嫁さんのヘアメイクとはまた違って、臨機応変に要望に合わせた世界観を創りだすこともできる技術とお人柄に信頼とその実績があるのでしょう。
その人を美しくさせるものは、メイクがうまくできればいい、素敵な衣装があればいい……それだけではないことがわかってきましたよね。
「シンプルだけど個性もある衣装」
+
「人それぞれの可愛らしさを惹き出しているヘアメイク」
+
「メイクマリエさんの思い」
=
世界でたった一人の花嫁さんが本当の自分の姿に戻っているナチュラル感
これは、さいとうさん自身に当てはまっているように思います。
そのナチュラルなさいとうさんらしい美しさは「私もこんな風になりたい!」という明るい気持ちにさせてくれます。
大切な結婚式を幸せな思いや人たちでその空間を世界一の美しい笑顔でいっぱいに……
それを叶えてくれるのは、経験や技術、知名度だけではなく、やはりそのお人柄なのだということをつくづく実感した取材でした。
出典メイクマリエ提供
◆名刺に書かれた素敵な言葉たち
後日、さいとうさんからいただいた名刺をじっくり見てみると、こんな素敵な言葉が書かれていました。
「目がキレイ…」
メイクマリエの花嫁はそう!
ハッとするピンク
肌の透明感
色空間のシアワセ
緑の爽やかな空気
ナチュラルで特別な
∞(無限大)の花嫁のキレイを
さがすのって 楽しいんです
~さいとうあやこさんの名刺より抜粋~
◆さいとうあやこ さんプロフィール
資生堂入社同社SABFA卒業
家業の花嫁衣装屋にて、
ヘアメイク、アテンダント、フローリスト、カメラマンを経験
株式会社メイクマリエ設立
東京、鎌倉、博多、長野にてウェディングヘアメイクチームを主宰
広告、雑誌、プライベートメイク、レッスンなどで活動中
株式会社メイクマリエ
〒106-0047
東京都港区南麻布5-1-28 TAKASHIMAビル 4F
TEL 03-3280-3632
東京メトロ日比谷線 広尾駅3番出口 徒歩1分
公式サイト http://makemariee.com/
記事:あなたの物語応援ライター ささきまりこ
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